BLACKNESS DRAGON
~希望という名の光~
「私が行く。」
悩む研究所の者達の中、1人の少女が画面を鋭く見つめ、意を決したようにそう言った…
彼女の思いもしない言動に、いつの間にか自分の作業へと取りかかっていた研究所の者達は動きを止め、彼女へと目を向けた…
「!ルリ、そんな体じゃ……駄目だよ!」
「大丈夫…」
そう、周りの目を集めたのは、ルリ。
未だに残る疲れの顔色…
そんな彼女を気づかってか、レナはルリの服の袖を掴み、心配そうな瞳で見つめた…
しかし、ルリはそんなレナに優しく微笑みかける…
いつもの明るい笑顔で…
だが、どこか作ったように見える、その笑顔で…
「まだ、安静にしていなと…」
大丈夫…
どこが大丈夫なのか…と、レナは、袖を握る手に力を込めた…
レナは、ただ単に、ルリを体を心配しているだけではない…
一緒にいたい…
その気持ちも、あるのだ…
レナの気持ちもわかっているルリ…
だからこそ、悲しい瞳をレナに向けるのだった…
「ルリ、部屋に戻って休んでいろ。」
そんな2人を見かねたレオンは、レナの頭に手を置き、安心させると、ルリにそう言った…
レオンの言葉に、ルリは反発しようと口を開いたが…
「……わかった…」
何かを察したのか、ルリは目を伏せそう言うと、レオンに頭を下げ、部屋を後にした…