一人こっくりさん
 
「パソコンで?」

 駿は俺が興味を持ったことに満足気だ。

『パソコンのとあるサイトに、紙に書くような鳥居や平仮名五十音が書いてあるんだよ!』

 そんなサイトがあるのか。
 物好きも居るんだな……こいつみたいに。

『十円玉はマウスのポインタで代用して、一人でこっくりさんが出来るってわけなんだ!』

「へぇ……」

 妙にテンション高いな、こいつ。好きな話題だからか。


『ねっ、おもしろそうでしょ?』

 冷静にテンションの分析をしていたら、同意を求められた。

「え、えっと……そうだ、な?」

『テンション低いなぁ!!』

 お前が高すぎるんだよ。

 俺は心の中で、軽くツッコミを入れておいた。


『だからさ、今夜一緒に一人こっくりさんしよーよ!』


 ……何か、矛盾してないか?


「待て、“一人”こっくりさんなのに、一緒にやるってどうするんだよ」

 俺がそう言うと、駿は何故か頬を膨らませた。

『優の馬鹿!』

 なんでだよ。

『だから、同じ時刻にそれぞれ自分の家で! 一人で! こっくりさんをやるんだよっ! りょーかい?』

「……まぁ了解だが」

 結局一人でやるのと同じじゃねぇか。
 
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