一人こっくりさん
「『『!?!?!?』』」

 会話をしていたエロ兄妹は咄嗟にこちらを見た。

「な…………」

 何が起きた……?

「痛ッ……あぁっ」

 体験した事の無い痛みに、顔を歪めた。
 右肩に手を置いた。

 ベトッという、生温い感覚。

 手にべっとりついた血。
 赤く、赤く、赤く、赤く。

「はぁ……はぁ……」

 血は容赦なく流れる。
 こんな量の血、見た事ない。
 生温い赤が体を伝い、カーペットに落ちる。

『ゆっ、優!!?』

 愕然としていた駿がやっと我に返った。

 パソコンのカーソルは

【し】   【ね】

 を何度も指している。

『封印が解けた……!!』

 チイラが言った。

 つか……俺の肩ヤバくね?
 血出すぎだろ……。

『優!! 優!!』

 駿が俺の元に駆け寄り、近くにあった服で止血しようとする。
 だが、血は止まらない。

「くっ……そ…………」

 自然と息遣いが荒くなる。
 なんか頭がクラクラしてきた……。
 俺は駿に寄り掛かる体勢になった。

『っ…………』

 駿はそんな俺を無言で支えた。

 こっくりさんは、確かに俺の背後に居たんだ。
 そして今もきっと、俺の傍に居るのか。
 くそ、姿が見えない……。


『そろそろお遊びが過ぎるよ、こっくりさん?』

 チイラが小学生とは思えない低い声で言った。
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