一人こっくりさん
第十二章 想い
『優……』

 ごめんね。

 僕がこんな遊びに誘った所為で、こんなことになってしまって。

 僕だけでやれば良かったのに、どうして優を誘ったんだろう。


 ごめんね。


 優のお母さんまで、死なせてしまった。

 全部、僕の所為だね。


 ごめんね。


 もし僕が、こっくりさんに魂を売ったら……

 優のお母さんはもう帰ってこないけど、優は助かるかな?

 でもきっと優は、僕がそう言ったら怒るよね?

 優は、優しいからね。


 ああ、優。
 何度言っても足りないけど、


『ごめん、ね』


 ポタッ


『ごめん』


 ポタッ


『ごめんね……』


 ポタッ


 涙が流れた。

 僕って泣き虫だなぁ。


 強くならなきゃ。
 強く、もっと強く。

 優を、守りたい。
 知依も、守りたい。

 僕は
 優も知依も大好きなんだ。

 だから、守るね。

 涙を拭いた。
 もう涙は流れていなかった。

『僕は僕のやり方で、守るから』

 助けるから、

 優を、知依を。
 皆を。
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