一人こっくりさん
 
『それはさておき、今から一人こっくりさんのやり方言うからね!』

「へいへい」

『鳥居のとこクリックすれば、やり方載ってるから! じゃあね〜』

 電話が切れた。

「え、ちょ……おい!」

 やり方説明するって、やり方書いてあるところを説明しただけかよ!
 メモしようと紙とペン用意した俺って……。


「まぁいっか……」

 駿はこういう奴だもんな。

 ――と変に自分を納得させて、言われた通り鳥居をクリックした。

 すると画面が“降霊方法”というページに切り替わった。
 相変わらずシンプルな画面だ。

 上から順に読んでいく。

「えっと……持ち物は、塩に――蝋燭!?」

 蝋燭なんてあったかな?

 ――と思いつつ画面を下にスクロールさせた。

┏━━━━━━━━━━┓
┃[持ち物]     ┃
┃塩、蝋燭      ┃
┃※蝋燭は、線香などで┃
┃も代用できる。   ┃
┗━━━━━━━━━━┛

「あ、線香ならお盆用に少しあるかも……」

 違う部屋にある古びた棚の中から、線香を持ってきた。

 一本くらい使ってもばれないだろう。


 そのとき、再び携帯電話が鳴った。


「……駿からメールか」


┏━━━━━━━┓
┃ 駿    ┃
┃ 時間だよ!┃
┠───────┨
┃そろそろ始めよ┃
┃う!!    ┃
┃       ┃
┃ ---END---  ┃
┗━━━━━━━┛
 
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