ショコラ~恋なんてあり得ない~
「……詩子さん」
「何?」
「俺で良かったら何でも相談してね。前に詩子さんが俺の話を聞いてくれたとき、すごく嬉しかったんだ。
俺も、……その。詩子さんの事、友達だって思ってるから」
ダメ押しだわ。
最悪。
「うん。ありがとう」
でも他になんて言える?
照れたように首の付け根をかく宗司さんには、何の邪心もないって言うのに。
「あの彼、彼女が居たんだね」
「マサの事? そうよ。そろそろ付き合って三ヶ月くらいになるんじゃないかしら」
「……ショック?」
「何がよ」
「いや」
尻切れトンボな感じで会話が途切れる。
そんな事を意識したら、急に話をするのまでぎこちなくなった。