ショコラ~恋なんてあり得ない~
「詩子さん、アイス食べない?」
「え?」
突然に宗司さんがそんな事を言うから、あたしの顔はかなり変な表情になってたと思う。
「宗司さん毎日ケーキも食べてるんだから、太るわよ?」
「そっか。そうだね。でもラーメンの後って冷たいモン食べたくならない?」
「折角温まったのに?」
「や、でも暑すぎてアイスでも食べたい」
「そう?」
今は五月の下旬。
夜はそこまで暑くないわよ? なんて思うのだけど。
「近くに、アイスのお店なんてないね。コンビニでもいい?」
「うん」
「じゃあ行こう」
そうして、あたしたちは百二十円のコンビニアイスを買って、二人で団地の公園を歩きながら食べた。