ショコラ~恋なんてあり得ない~
「うまい」
「宗司さんって甘いもの好きね」
「うん。だってほら、何だか幸せになるでしょう」
「そう?」
そうか。甘いもので幸せになれる人もいるのね。
もうじき夏だし、冷たい新メニューもいいかもなぁ。
フラッペとか、フルーツ盛りだくさんにしたらおいしそう。
そうね、これはいいわ。提案しよう。
「いいこと思い付いた」
「え?」
「宗司さんのお陰よ! ありがと!」
「はは。良く分からないけど。どういたしまして」
嬉しそうに笑う宗司さんのほっぺには白いクリーム。
本当に冴えない人だ。
「ついてるよ」
「え? わ、どこ」
「ほっぺ」
「ああ、……うわ、ああああああ!」
「何してんのよ! 宗司さん」
あたふたとティッシュをとりだそうとしているうちに、宗司さんはアイスと落としてしまって、うなだれる。