ショコラ~恋なんてあり得ない~
「でも良くあたしがいるの分かったわね」
「だって、詩子さん目立つもん」
「え?」
「はは。自覚は無いんだ?」
笑われるとなんか変な気分。
目立つ……かな。この格好変かしら。
でも、ファーストフードに似合わない格好なんてないと思うんだけど。
なんとなく自分の服装とかを確認してると、携帯電話が鳴り出す。
慌てて取り出すと、案の定親父からだ。
「はい、もしもし」
『詩子ー!! どこにいるんだ。なんで家にいないんだ』
「うるさいなー。ちょっと考え事してたら時間が過ぎてたの! 食べて帰るから、父さんも勝手に食べて」
『お前最近そういうの多いぞ!!』
放っておいてよ。
年頃娘が遊び歩いて何が悪い。
「とにかく、帰りは遅いわよ!」
別にすぐ帰ろうと思えば帰れるのだけど、こうやかましいと帰る気が無くなる。