ショコラ~恋なんてあり得ない~

そんな力こめて、あたしにマサに対して頑張れって言うなんて。
やっぱりあたしには脈が無いって事じゃないのよ。

それならどんなに褒められたって、悲しいだけだ。

いや、むしろ苛々してきた。

どうして気付かないのよ。
あたしが好きなのは、マサじゃないのに。
目の前にいる、あなたなのに。

宗司さんは、あたしの事分かってくれてるんだってそう思ってた。
だけど、やっぱり違うの?

あなたも、あたしの事分かってないの?


いつもそうだ。
見かけで判断されて、ちやほやされるけど。

あたしの事を本当に見ていてくれる人なんていない。
皆が本気で好きになるのは、もっと別の可愛らしい女の子。

あたしは。

褒められなくたっていい。
不細工でも可愛くなくてもいい。

ただ、好きな人に好きって言われる人になりたかった。



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