ショコラ~恋なんてあり得ない~
12 告白まであと少し
そろそろ時刻は十時を過ぎる。
「おいしかったー」
「ちょっと食いすぎたな」
宗司さんと親父は仲良くお腹を叩いている。
その後に作った試作品も平らげた二人は、かなりの水っ腹なはずだ。
「アイスのもおいしかったですね」
「俺はやっぱりゼリーの方が良いな。今までにないアイディアだし」
「これいつ店に出すんですか? 俺また食いに来たいんですけど」
「そうだなぁ。もう暑いからな、すぐでもいいんだけど。お前らどうだ?」
親父の視線があたしに飛ぶ。
「マサに聞いてよ」
そのまま視線を顎で横に流す。
「そうですね。味を一定化できるまで練習したいので、来週辺りからでも」
「じゃあ来週から。詩子、メニューボードは直せるか?」
「大丈夫よ。やっておくわ」
そういうのは得意科目よ。
写真貼り付けて一枚ドドンと作ろう。
楽しみになってきた。