ショコラ~恋なんてあり得ない~


「とりあえずそれは無いと思うわ。もし惚れるんだったらとっくに惚れてるでしょう。
マサとあたしって、専門学校から一緒だからもう三年くらい一緒に居るのよ?
それまでに恋が生まれてないんだから、まあこれからもないでしょうよ」

「ホントですか?」

「そんなに心配なら、とられないように和美ちゃんがちゃんとつなぎとめてればいいのよ!」


焼き鳥の串を突き付けてそう言うと、和美ちゃんはようやく笑う。


「私やっぱり、詩子さん好きです」

「あはは。ありがと」


あたしも笑って三杯目のビールを空ける。

おかしいな。
恋愛相談するはずが相談されて。
揚句に女の子から好きです宣言されるなんて。

世の中不思議なことだらけだわ。


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