ショコラ~恋なんてあり得ない~
「いや、私は彼はいつか、若い子に乗り換えるだろうって思ってたの。ホラ私もう子供産めないしね。
だから割り切って付き合ってるつもりだったのに。
先月いきなりプロポーズされたの。
彼もバツ一でね。子供は居るからいいんだって」
「そう、なの」
「だったら私もいいかなって思って。ちょっと会社では気まずいけどねー」
そりゃそうだ。
客観的に見れば、母さんが若い男をたぶらかしたって構図にしかならないもの。
「それでもいいかなって思えたのよ。それくらいの人なの。今度会ってね」
「う、うん」
まあ、母さんが離婚したのはもう七年も前だし。
あたしとしては母さんが幸せになるのを邪魔することはないから。
何でもいいんだけど。