ショコラ~恋なんてあり得ない~


「父さんがもっと強気に出ればいいんじゃないの?」

「どう強気に出るんだよ。何度ヨリを戻しても、毎回あっちから振ってくるんだ。俺に可能性なんかないだろ」

「そうかな」


でもなんか気になるのよね。
別れ際の母さん。すごく寂しそうだった。
あれが再婚を控えた女の顔だって言うの?



「ところでお前はあの男とどうなってんの?」

「はぁ?」


思考を遮られて、ものすごく不機嫌な声が出た。
若干親父がビビってるのがなんかウケルわ。


「あの男って、……宗司さん?」

「そう。付き合ってんだろ?」

「いや、付き合ってはいないわよ?」

「はぁ?」


今度は親父が素っ頓狂な声を出す。
やっぱり、そこまで思いこんでいた訳ね。
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