ショコラ~恋なんてあり得ない~
「今日こんなにラッキーで俺、大丈夫なのかな」
顔が徐々に青みを帯びていく。
宗司さんって、……バカ?
「なんで先に言わないのよ!」
「や、面接の前に詩子さんのフラッペで気合いを入れようと思って」
「前回腹痛を起こしたようなフラッペで、ゲン担ぎするんじゃないわよ!」
「だって。俺にとっては、詩子さんが勝利の女神だから」
「……バカっ」
どの面下げて、そんな恥ずかしい言葉言えるの。
ホントに宗司さんってしまらない。
なのに、そんな陳腐な言葉に、
こんなに胸を躍らせてるあたしも、どうかしてる。
「もうっ」
彼の顔に手を伸ばして、その耳を押さえつけて引っ張る。
幸せなのが不安だなんて、贅沢者の言う事よ。
あなたがそれに不安になっても、あたしはやめたりしない。
不安なんて吹き飛ばすほど、もっともっとときめかせてやる。