ショコラ~恋なんてあり得ない~
背中が曲がってるわよ、宗司さん。
こんなコソコソと、外から店内を窺うなんて情けないわよ?
どんな結果でもいいのに。
だって、あんなに一生懸命だったじゃないの。
「宗司さん」
近付いて顔を覗きこむと、宗司さんはもう泣きそうになってる。
「……ごめん、詩子さん」
「なんで謝るの」
「またダメだった。俺、……あんなに詩子さんに励ましてもらったのに」
「あたしの励ましなんてどうでもいいわよ。ダメでもまた次があるじゃない。この世の終わりみたいな顔しないで」
元気づけたくて色々言ってみるけど、歪んだ宗司さんの表情は戻らない。