ショコラ~恋なんてあり得ない~
「あー、コホン。まずは残念だったな」
「いえ。俺の力不足ですから」
「でも俺の見立てでは、お前は教師向きじゃない。
お前は切り捨てられないタイプだろう?
学校ってところは集団生活だ。
遅い子にペースを合わせていれば速い子が退屈する。
両方を適当にあしらうって事に向いてない」
「うっ……まあ。そうですね」
ズケズケ好きな事言ってるわ。
こういう姿を見ると、あたしと親子ねって思うんだけど。
「進学塾の教師ってタイプでもないよな。今の塾、やってて楽しいか?」
「楽しいと言うか。仕事ですから……」
宗司さんの口調は尻すぼみ。
そう言えば、出会った頃塾長さんらしき人に怒られてたなぁ。