ショコラ~恋なんてあり得ない~
「そこで提案なんだが。
その時に二階に直接上がれるような外階段を作って、単独で利用できるようにしようかと思ってる」
「はぁ?」
「そしてお前に貸しだす。そこを塾スペースとして利用するのはどうだ?
いわゆる寺子屋風の塾って感じだが」
宗司さんの肩をポンと叩いて笑う。
ちょっと。
何適当なこと言ってんのよ、親父。
「俺に……貸しだすって。え? それって」
「自分の理想とする塾経営をするか。それとも永遠と向いているか分からない教員の試験を受け続けるか。まあ選ぶのはお前だ」
「……」
宗司さんは呆けたようにじっとしている。
あたし自身も何だか突然降って沸いた話についていけない。
でも確かに宗司さんって集団教育向きでは無い気がする。
もっと少人数の、じっくりしたやり方の方があってるっていうか。