ショコラ~恋なんてあり得ない~

そうだ昨日。
親父が店に泊まり込むって言うから。
じゃあと思って、あたしはこっそり宗司さんの家に泊まり込んだんだった。

いざお付き合いとなってもなかなか進展しないあたしたちは、クリスマスの時ようやくキスをして。
その後もなんとなく手をつなぐ程度のスキンシップしかしたことなくて。

簡単に言うとあたしが先にブチ切れた。
なんなの、あたしはお人形じゃないのよって。

明らかにビビリまくってた宗司さんを押し切る感じであたしはここに泊まり込んだものの。

なんだその、実はあたしにとっては初めての夜で。
もう何が何だか、ちゃんとは覚えていないくらい。

宗二さんは布団から這い出し、手近にあったジーンズを履く。


「こんなの、マスターに見つかったら殺されるかも」

「そうかしら」

「でも殺されてもいいくらい幸せだけどね」

「……縁起でもないこと言わないで」


死なれちゃ困るっつーの。

あたしが何言っても、宗司さんはニコニコのまま。
今日はかなりご機嫌なのね?
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