ショコラ~恋なんてあり得ない~

「んっ」


軽く声が出てしまうと、そこから舌が侵入する。

昨日までは触れるだけのキスしかしたことなかったから分からなかったけど、この人はキスが上手いな。
腰の辺りがぞくぞくする。

あたしが初めてなのが意外だって言うなら、そっちがこんなに上手だったって事こそ意外よ。
無害そうな顔してるくせに経験豊富なんじゃないでしょうね。


「……宗司さんって今まで何人と付き合ってるの?」

「え?」


唇が一瞬離れた隙にそう聞いてみると、彼は驚いたように体を離した。


「そんなの聞きたい?」

「聞きたいわ」


そう言いながら、あたしは自分の脱ぎ散らかした服を見つけて、近くにひっぱり寄せる。
あたしだけ裸だなんて、なんか不公平よ!


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