ショコラ~恋なんてあり得ない~
「そんな多くないよ。二人……かな。学生の時に。
最近なんかホント何もなかったし。詩子さんが心配するような事は何にもないよ」
「別に心配してる訳じゃ無いもん」
「ホント?」
困ったようにあたしを覗きこむ宗司さん。
ホントよ。愛情を疑ってる訳じゃない。
昨日だって、ホントは凄く気持ちよくって。
でも初めてだから、最後は痛くて泣いてしまった。
そうしたら、まるで小さい子を抱っこするみたいにギューって抱きしめてくれて、ずっと背中を撫でてくれたから。
何だかホッとして寝ちゃったんだった。
そうよ、全部思い出した。
「一度家に帰ろうかな。一緒に出勤したら疑われるでしょ?」
「あはは。まあ、別に怒られたっていいけどね。
責任とる気だってあるし。
ただもうちょっと軌道に乗らないと、胸張って言えないからなぁ」