ショコラ~恋なんてあり得ない~
「は、はぁ?」
「可愛くて、面白くて、はっきりしてて。……うん。詩子さんだなぁって思う」
「なにそれっ……」
先生の癖に説明能力足りないんじゃないの。
なんて、嫌味を思いつくのと同時に、なんでか心臓がバクバクする。
なんで?
なんであたし、こんなに動揺してる?
「一緒にいると楽しい」
とどめの一言に、あたしの頭の中はちょっとした小爆発。
おかしいな、ビール四杯なんてつぶれるにはまだ早いのに。
あたし酔っぱらってる。
だって。
大嫌いなはずの男に、何故だかものすごくドキドキしてる。