ショコラ~恋なんてあり得ない~
8 デートはどこで?
昼過ぎからは、いつものように宗司さんが来た。
今日お勧めしたのは、イチゴのショートケーキ。
定番だけど実はこれが一番おいしかったりするもの。
「ところで詩子さん、駅前に新しいラーメン屋が出来たの知ってる?」
「え? 知らない。でも工事してるのは大分前に見たわ」
「博多ラーメンの店だって。とんこつベースのスープ、平気? 一度食べに行きたいと思ってるんだけど、一人じゃ気が引けるから一緒に食べに行かない?」
「いいわよ。ラーメン大好き!」
「今日俺、八時には終わるから、その頃どう?」
「じゃあ駅前で待ちあわせよっか」
「うん」
なんとなくトントン拍子で話がまとまる。
同僚の先生とかも居るのに、あたしを誘うんだ。
そう思ったら何だか嬉しい。
営業スマイルがにやけ顔になっていないか心配だ。
宗司さんにそれを見られるのは恥ずかしいから、視線を他のお客さんに向ける。