言葉の鏡
彼がハニカミながら最初に話した言葉…

「この前の時受付であんなことしてごめん。ﾅﾂちゃんﾉﾘよさそうだったからついやったんだ。びっくりしたょなぁ。ごめんね。」

急に謝られた私は返す言葉を考えるので精一杯でいた。
するとｶｲさんが言い続けた。

「黙ったまんまかぁ…やっぱし怒ってるの？」

私はやっと同様する気持ちを押さえて口を開いた。

「それは驚きましたょ。けど、なんか楽しくて、緊張していた心を柔らかくしてくれたんですょ。だから謝られるよりも私が［ありがとう］って感謝しますょ。」
と、私は頬が赤くなるのとﾃﾝｼｮﾝが上がるのを必死に隠しながら話した。
そして、この気持ちがバレないよう話し続けた。

「感謝なんてしなくていいよ。だって俺の役目は緊張してｵｰﾌﾟﾝｷｬﾝﾊﾟｽに来た子達の緊張を解きほぐす係りだからさ。」

かっこいいことを言うなと惚れていた。

「なんか、かっこいい事言いますね。思わず聞き惚れてました。」
といたずらな笑顔を浮かべながらｶｲさんに言った。

ｶｲさんは思いもしない私の言葉に驚きながらも優し笑顔で笑ってくれた。そして

「ありがとな。嬉しいわぁ。」
と私の髪をクシャクシャとした。

私は嬉しくてたまらなかった。


そして、楽しいｵｰﾌﾟﾝｷｬﾝﾊﾟｽの時間は終わってしまった。

ｶｲさんを見つめ手を振り
「ありがとうございます。楽しかったです。」
と笑顔で言うとｶｲさんは聞こえないような声で
「お前かわいいなっ。」
と私に言い手を振ってくれた。

私はすごく嬉しくて恥ずかかった。
< 13 / 23 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop