colorful
その日は、土砂降りの、雨の日だった。


あたしは、聞いてしまったんだ。


「結ってさ、ムカつくよね?」
ハッキリと。
悠華の声で。
そう、聞こえたんだ。

「うん!一緒に話してても、
 結が喋るとしらけるってゆうか…」
次々と、同意の声があがる。


あたしはショックで、
ただただ立ち尽くすしか無くて。


悠華達は何も知らずに、
あたしの悪口に華を咲かせていた。



あたしは、今にも溢れそうな涙を堪え、
静かに、そこを立ち去るしかなかった。
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