愛し人〜aishibito〜
半泣き状態の久美子を
雅也は抱き締めながら言った。






「バカ…心配したんだからな」



『マシャ……』



「たくっ中々目覚まさないから」



『昨夜、遅く寝たから眠かったのかも』



「…………」






ぎゅっと抱き締めるのが強くなるのを久美子は戸惑う。






『痛いよ……マシ…』






抱き締める腕を離すと雅也は
久美子に優しくキスをした。






「今日は一緒に帰ろう」



『当直じゃないの?』



「いや…今日はいいんだ」



『………うん』



「仕事片付けたら戻って来るから待ってろな」






頭をポンっとされて急に優しくされると調子が狂ってしまう。
だが久美子は嬉しかった。
< 132 / 160 >

この作品をシェア

pagetop