愛し人〜aishibito〜
「………はい」



『マシャ?』



「………ああ」



『どうしてすぐ切ったの?』



「間違ったんだ」



『私に用があったんじゃなかったの』



「………ない……」



『……ひどい…そんなはっきり言わなくてもいいじゃん』



「ばーか」



『何よぉ〜』



「何で泣きそうな声出してんだ」



『泣いてないもんっ』



「本当か?」



『本当だもん。久美ちゃんが泣くわけないじゃん』



「両親いないから淋しがって泣いてんじゃないかと思ってな」



『何でぇ』
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