愛し人〜aishibito〜
「当たり前だろ。俺は兄貴とは違うぜ…久美ちゃんに淋しい思いは絶対させない。今夜は素敵な夜にしよう」






花束を手渡して
久美子を抱き締めようとした所でいつの間に後ろにいた
恭也の父親に背中を叩かれた。






「何してる早く入れぃ」



「オ…オヤジぃ…せっかくいいとこだったのに邪魔しやがったな。まるで兄貴と一緒だ。くそっグレてやる」



「何わけの分からん事言ってるんだ」



『恭介(キョウスケ)おじさん、いらっしゃい』



「やぁ久美子ちゃん、メリークリスマス。これはいつものスイーツだよ」



『わぁありがとうございます』






箱に入っているのは久美子が
いつも恭也の父親にお土産で貰う数量限定のプリンである。






「ちっカッコつけやがって…おっさんのくせに」



「恭也、何か言ったか?」



「別に」



こんな感じに
パーティが始まった。
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