愛し人〜aishibito〜

それから一時間程してから
久美子は待ち合わせの
二十分前に
地元のファミレスに着いて
席に座るとメニューを一通り見て恭也が来る前に
ドリンクバーだけを注文して
飲みながら待っていた。



五分程経った頃。



時間を確認するためにバッグから携帯電話を取り出した時
バイブが鳴ったのだが
電話帳に登録していない知らない番号のみが画面に表示される。






『誰だろ―――――もしもし？』



「――――――俺」