夕陽

真山がいる!


そして千花もいた



2人は言い争っているのか
千花の大きな声は
廊下まで響いていた



ねぇ、あたし
まぁ君になにかしたかな?
あたしのこと嫌いになったの?
だったら教えて?
嫌いなとこなおすから!




…嫌いなんかなってないよ



じゃあ何で
メールしても
電話してもシカトするの?

今日だって
一緒に帰りたくて
あたし待ってたのに…


…他にスキな子ができた?



千花のこの問いに
真山は
ピクッと体が揺れた


そしてその時
一瞬真山は
右手で左手首にしていたブレスレットに触れた



千花は
チラッとその仕草を見て
すぐ真山の顔を見直した



…そのブレスレット今までしてなかったよね?
誰かからもらったの?



…真山は
深く息を吸って
すべてを決心したように

千花をまっすぐに見つめた


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