夕陽




流れる鮮血



首に温かいものを感じる




今まで生きている感覚がなかったのに
確かにあたしは生きていたんだって
その時あらためて
実感した





男たちが止めるすきも
ないくらい
あたしは一気に
カッターを首にあてた




逃げるようにその場を
後にした男たち



あたしは1人
アパートの部屋で




横たわり
目をつむっていた
首から血は流れつづけていた





< 54 / 74 >

この作品をシェア

pagetop