スニーカー
さて、どうしようか。
いつもなら沙希と一緒に帰るんだけど、その沙希は佐々木くんと帰るというリア充の発揮ぶり。
まあいいや。今日位、おとなしく1人で帰ろう。
と思ったその時だった。
「ああぁああああぁー!俺と同じ靴ぅーーー!」
これまた蝉さん達の大合唱を大きく上回る声のボリュームで叫んでいる声が聞こえたのは。本日2人目だな、私。
声の持ち主は、と思い振り返ってみると。
「え......黒田、くん?」
そこにいたのは、今、一番、私が会いたくない人だった。