幕末女剣士~新選組~


「おい美穂……テメェは
副長を殴った上にコレ呼ばわりか?」

「あれ?死んでなかった
んですか……もっと強く
殴ればよかったかな……?」

「残念ながらそれじゃ
俺は死なねぇよ」

「ふぅん…残念。
でも人の女に手ぇだすのはね…
流石は百戦錬磨の土方か?」

「最高の誉め言葉じゃねえか。」

「頭おかしいんじゃない?
アタシは誉めてないですけど…」

二人の間に火花が散っている。

いつの間にか美穂は

土方の怒っている姿をみても

怯まなくなっていた。

「明里さんに手ぇ出したら
みんなに言いますよ……?」

美穂の黒い笑みに若干

土方の顔がひきつった。

「何を言うってんだ……?」

「自分が一番分かってるんじゃ?」

「お前まさか……」

にっこり黒い笑みで微笑むと

土方の顔が青ざめた。

「やめろよな……?」

「じゃあ大人しくお酌
してもらっててください」

「…………」

「いいんですか?言いますよ
この場で~!!」

「ッ!…………」

渋々と席に戻る土方をみて

その場にいた全員が

美穂は恐ろしい…と実感した。

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