幕末女剣士~新選組~
ちょっと冷たかったかな……
心情を悟られないようにと
最近は心がけているけど……
そうすると冷たい言い方
しかできない。
だからといって優しく
するわけにもいかない。
何処に敵がいるかも分からないから。
――――――――
座敷に戻ると皆が帰る支度を
していた。
「お美穂チャン!帰りましょ~」
「わっ!沖田さん!?」
いきなり沖田さんが
抱きついてきた。
…………
「沖田さん…酔ってます?」
「酔ってないですよ~」
酔ってる。
確実に酔ってる……
「も~……」
沖田さんを支えようと
すると、腕を捕まれた。
「平助……?」
「山南さん…総司お願いします」
そう言ってアタシを引っ張っていく。
「ちょっと平助!?」
アタシの言葉に返事もしないで
外に出て店と店の間に入った。
ここまで来てやっと
手が離れた。
「どうしたの?へいす-」
ダンッ!!
口を開いた途端強い力で
壁に押さえつけられた。