幕末女剣士~新選組~
*美穂*


アタシは今、平助の部屋の前にいた。

なんて言って入ろう……

…………

…………………

あぁもう!考えるの止めた!!

深呼吸をして声を掛ける。

「平助…いる?」

声が震えた気がした。

「美穂?入りなよ」

許可が出たことに安堵して襖を開いた。

スッーー

中に入ると刀を手入れしている

平助がいた。

「どうした?」

「話が…あって……」

平助はアタシを一瞥して座るように促した。

「手入れ、もうすぐ終わるから
ちょっと待ってて」

「分かった」

水を打った様な静けさが室内を襲う。

気まずい……

そっと平助を見ると真剣な横顔。

かっこいいな……

童顔な平助は可愛いって思うこと

の方が多かったりするんだけど

こうゆうときはかっこいいんだよね…

「……あんまり見られると
やりづらいんだけど…」

「あっ!ごめん///」

けっこうガン見してたらしい…

恥ずかし!!

数分後、平助は刀を鞘に収めた。

「で、話ってなに……?」

「あっのさ…皆で宴会した日
あったでしょ……?」

アタシがしどろもどろで話すと

平助の眉がピクッと動いた。

「あの日…アタシ平助の気に障る様な
こと言ったかな…?考えても解らなくて…」

視線が落ちていく。

「違うんだ…」

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