幕末女剣士~新選組~
「美穂…」
「なに……?」
「口づけてもいい?」
「えぇ!?」
髪を弄っていた手がそのまま
降りて顎を持ち上げられ
唇を塞がれた。
「んんぅ…んぁ」
わずかに開いた口から舌を入れてきて
歯列をなぞられ舌を吸われる。
己の口から漏れる声が美穂を
羞恥へと追いやる。
逃げようとしても後頭部を抑える
彼の手がそれを許さない。
こんな濃厚な口づけをしたのは
もちろん初めてで腰砕けになる。
頭がぼーっとしてアタシは
必死に平助の着物にしがみついた。
漸く唇が離れアタシは酸素を求める。
真っ赤な顔に涙目の美穂を見て
平助の理性は限界だった。
「美穂…」
平助がアタシの着物に手をかけようとした時
「平助いるか?」
「さっ左之さん!?どうしたの…?」
「いや、飯の時間だから呼びに
来たんだよ」
「あっそうなんだ…ありがとう」
「あぁ後美穂見なかったか?」
ギクーッ
ヤバい…今開けられたら
非常にヤバい…
どうすんのよ平助!!
心配して平助を見ると
優しく頭を撫でてくれた。
「じゃあ美穂捜して連れてくよ」
「おぉそうか。じゃあ頼んだぞ」
と言って左之さんはいなくなった。