幕末女剣士~新選組~


それから暫くの間、古高の

悲鳴が屯所内に響き渡っていた。


「そろそろ吐きましたかね
古高俊太郎……」

「どうだろうね…総司も
さっきからその言葉ばかりだぞ」

「だって源さん…そろそろ
暇ですよ~!」

「沖田さん…今は待ちましょうよ」

今、アタシ達は広間で待機している。

どのくらい待っただろう。

スッと襖が開いて土方さんが

入ってきた。

「土方さん!」

帰ってきた土方さんの着物

には赤い血がついていた。

「土方さんが帰ってきた
ってことはなにか吐いたのか?」

左之さんが問うと

土方さんは少し苦々しい

顔をしてから口を開いた。
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