この空の下で。
ガシャンッ
勢いよくドアを開ける。
「先生すいません。
 ちょっと寝坊しちゃって」
「もうその言い訳何度目か宮川ーッ」
 担任はカンカンで顔が真っ赤だった。
「はいッ。すいません」
「ん?後ろにいるのは
 早野君じゃないか」
「初めまして内川先生」
「みんな。転校生を紹介するぞ。
 早野颯馬君だ」
「キャーカッコいいー」
「ここの席空いてるよぉ」
「こっち向いてぇー」
いつもは男子なんて全然興味のない
女子たちが颯馬によってたかってる。
「ちょっと葵ー。
 こんないい男どこで見つけたのよーッ」
親友の唯子が顔を赤らめて聞いてくる。
「実は、私と颯馬は幼なじみなんだぁ」
「えーっずるいーっ」
唯子の言葉と同時に女子たちの鋭い目線
を感じた。
「葵ー俺、葵の隣がいーんだけど?」


< 4 / 11 >

この作品をシェア

pagetop