この空の下で。
声がする方に振り返ってみると
唯子の彼氏が立っていた。
「裕君、もう待ってたんだからね」
「ごめんごめん。
 ちょっと用事あってさー」
「ホントにー?」
「うん」
いいなぁ。唯子にはあんなに
いい彼氏がいて。はぁー。
「それじゃあ、葵。
 うち先に裕君と帰るねぇ」
唯子とその彼氏は
はしゃぎながら帰って行った。
私にはいつ彼氏、できるんだろう・・・
「葵ーっ」
遠くで颯馬が呼んでいる。
「どうしたのー?」
「今日、一緒に帰ろうぜー」
「うん」
颯馬はいつもそう言って
誘ってくれる。
ん?颯馬は彼女とかいないのかな??
ま、気にしないでおこう。
「今日も疲れたなぁー」
「いっぱい女子に囲まれてたもんね」
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