ヤクザと恋愛
「セイナちゃんも行くよ!」
私はほぼ強制的に混浴に連れて行かれた。
ガチャッ。
混浴の扉を開けると、外に繋がっていた。
「あー!亮くん~★」
麻美さんは河瀬さんの所に走って行ってしまった。
でも、陽くんがいなかった。
仕方なく、先に入っていることにした。
ガチャッ。
少ししてから、扉を開ける音がした。
陽くんかなと思って見ると、若い男の人が2人いた。
なんだ。陽くんじゃない。
私は前を向いて、また陽くんを待ち続けた。
「ねぇねぇ。今暇?可愛いねぇ。」
さっきの男の人達が私の右と左にいた。
異様に近い。体どうしがくっついている。
「ねぇ、いいだろ?」
そう言って、私の肩に手を置いた瞬間。
「お兄さん達。俺の女に何か用?」
いつもよりもワントーン低い声で陽くんが言った。
「陽くん。」
私は、安心してしまった。
「…すみませんでした!」
2人は謝りながら逃げていった。
「ごめんな、セイナ。どこ触られた?」
真剣な瞳で聞いてきた。
「肩だけ。大丈夫だよ?」
私が答えると、
「…俺の女の地肌に触った。許さねぇ。」
陽くんが私を抱きしめたまま言った。