ヤクザと恋愛
「ちょっ…!痛いよ、雄也くん。」
強く握られた手が凄く痛かった。
「……。」
雄也くんは簡単に手を離してくれた。
何も言わずに。
「雄也くん…?どうしたの?」
少しずつ不安になってきた。
「セイナ。」
「えっ…?」
「誰と付き合ってるの?俺よりもかっこいい?頭いい?」
そう言いながら私に近づいてくる。
その目が城田さんと被った。
…怖いよ。
助けて…陽くん…。
私は雄也くんが一歩近づいてくるたびに一歩下がった。
しかし…。
「セイナ。それ以上どこに行くの?」
私の後ろには壁がきていた。
陽くんじゃない手が…
城田さんに似た目をした男子が…
私に触れようとする。
「イヤッ!来ないで。触らないで!雄也くん…。」
私の目の前に本郷雄也はいない。
何度も陽くんを心の中で呼んだ。
雄也くんが手を伸ばしてきた。
そして、私の制服に手をかけた。