ヤクザと恋愛
陽くん…。
バタンッ。
向こうの方で音がした。
そこにいたのは…。
「セイナさん!大丈夫っすか!」
陽くんではなく、昨日と今日私達を車で送ってくれた男の人だった。
「…あいつがセイナの彼氏?」
雄也くんが私と目を合わせてきた。
「違うよ。私の彼氏は…。」
私が言おうとすると、
「…セイナ!!」
男の人の後ろから、私の大切な人が出てきた。
「陽くん…。」
肩で息をしていて、私を一生懸命探していたことが分かった。
私の呟きを聞いた瞬間、雄也くんの顔が真っ青になった。
そして、ゆっくりと後ろを向いた。
「井端…陽。」
私はあまり知らないけど、陽くんはとっても強いらしい。
「本郷…。その手を離せ。」
とっても低く、冷たい瞳をして陽くんが言った。