ヤクザと恋愛
「イヤッ!」
私の中で何かが壊れた。
「どうせ陽くんだって私から離れていく。私は一生一人なの!」
久しぶりに大声を出したせいか、立ち眩みがした。
私が壁にもたれたのが分かったのか、陽くんが私を見つめた。
「誰を信じて助けを待てばいいの?教えてよ。」
陽くんが悲しそうな顔をした。
「陽くんを信じたいよ?大好きだもん。…ごめんなさい。私…一人でちょっと頭冷やします。」
私は突然冷静になった。
これ以上陽くんと一緒にいたら人に頼ることを覚えてしまう。
だから私は今、ギャル達の溜まり場。歌舞伎町に来た。
新しい私が見つかるかもしれないという小さな希望を持って。
「もしもし?可愛いね~。これからどう?」
チャラい男の人達が目を輝かせて私に話しかけてくる。
断っていたつもりがいきなり路地裏に連れて来られた。
薄暗く、じめじめしていた。