ヤクザと恋愛
「いいじゃん!俺達と楽しもうよ。」
そう言って一人の男の腕が私の腰に周った。
怖いけど慣れなきゃと思い、涙を我慢していた。
「俺の女に手出すな。」
後ろから低い声が聞こえてきた。
大好きだけど、今私が一番会いたくない相手。
「井端陽か?」
私の腰を抱いていた男がその人物に向かって聞いた。
「…俺を呼び捨てで呼んだか?」
その黒いオーラに負けて男達はすぐに私をおいて逃げていった。
「…セイナ。」
今のあの声がどうしたらこんなに優しい声になるんだろう。
「陽…くん。」
「悪かった。ちょっとセイナにイラッときて。」
「…はっ?!」
陽くんの思いもよらなかった言葉に私は、驚いた。
「私にイラッときた?」
「あっ…。イヤッ!違うんだ。」
「もういい。私といるとイライラするんでしょう?」
そう言った後、視界がぼやけてきた。
陽くんと出会ってから私の涙腺はすぐに壊れる。