ヤクザと恋愛
「キャ―――!」
そこは機械ではなくて人間のお化け屋敷だった。
予想以上に怖かった。
そして、何でかお化け役の男の人が私の腕を掴む。
そのたびに私は叫んで陽くんに助けを求めた。
「陽くーん!助けて!腕掴んでくる!」
「俺の女に手出すなよ?」
そう陽くんが言うと必ず手を離してくれた。
「…疲れた。今日すっごく楽しかった!」
だいたいの乗り物を乗り終わって、夕方になった。
もう帰ろうとすると、
「セイナ…観覧車に乗らない?」
陽くんが私に言った。
「観覧車?うん!行こっ!」
私は陽くんを引っ張って行った。
「今日すっごい楽しかった。ありがとう!また連れて来てね。」
観覧車に乗ったのはいいけど、陽くんが全く喋らなかった。
「どうしたの?」
「…セイナは、俺と昨日から付き合ってるじゃん。」
「うん。」
「俺のこと好き?」
「えっ…?好きだよ?」
「俺も好きだよ。…入学式の日に会って、一目惚れだった。」
突然そんなことを言い出してびっくりした。