ヤクザと恋愛
「セイナ一人だけヤクザの俺を怖がらなくて。嬉しかった。」
「…私、知らなかったの。」
「うん。後から分かった。
でも…それが嬉しかった。」
陽くんは続けた。
「それから寝た振りして、ずっとセイナを見てた。
でも…本郷と話すセイナを見るのは辛かった。」
陽くんは思い出すように話しを続けた。
「俺と挨拶する時と違う顔をしてたから。
それからどんどんセイナを好きになった。
それで、セイナが女子達に呼び出された時に俺は本郷を恨んだ。
あいつのせいだから。
放課後、セイナが何処に行ったのかずっと探した。それで、やっと見つけた。
近寄るとセイナは泣き出して全てを俺に話してくれた。嬉しかった。
それからいろいろあって、大通りでセイナを見つけた。
家に連れてったら逃げようとしただろ。
俺すごいショックでさ。
でも、俺のこと分かってくれて嬉しかった。
セイナ、知らない男達に話しかけられたら無視して逃げるか、俺を呼べ。
セイナのためなら何でも捨てるから。
セイナ…好きだ。
世界で一番、
愛してる。」