ヤクザと恋愛
私の思考は停止していた。
世界で一番、愛してる。
そんなこと初めて言われた。
「私も、世界で一番、大好きだよ!」
私はそう言って向かい側に座っていた陽くんに抱きついた。
観覧車が少し揺れた。
「絶対にセイナ誘ってるよな。」
「何…?」
「いや。何でもない。」
「陽くん…。
あ、のさ……私、と…。」
「セイナ。
キスしていいか?」
私が今言おうとしたのに…。
でも私はとても嬉しかった。
「うん。でも、私、初めてだから。」
「俺も…。」
「えっ…?」
だんだん陽くんの顔が近づいてきた。
私は静かに目を閉じた。
「「――――。」」
「…ごめん。ファーストキスが俺で。」
「っ凄く嬉しいよ。陽くんで良かった。これからもよろしくね。」
そう言って私は陽くんに触れるか触れないかのキスをした。
陽くん、ずっと一緒にいてね。
心の中で陽くんにそう言った。