ヤクザと恋愛












「よろしくお願いします。」



私はそう答えた。



ギュッ。

突然抱きしめられた。



「愛してる。セイナ。」



「私も愛してる。陽くん。」









そうして、私の5時間の家出は、幕を閉じた。













「セイナちゃん!今度海行こう!Wデート!」


あれから数日が経ち、毎日のように河瀬さんと麻美さんが井端組を訪れて来た。





「そうだねぇ。海か…。行きたいなぁ。」



「セイナ海行きたいのか?」

麻美さんとの会話に突然、陽くんが入ってきた。



「えっ、うん。行ったことあるけど、泳いだことないんだ。」



「そうなのか?」


「うん。行きたい。」

「…よし!行くか!明後日。」


「えっ!突然。」


「イヤか?」


「全然!嬉しい!」


陽くんの一言で私の気持ちは明るくなった。


「亮くん!麻美も行きたい!セイナちゃん、一緒にいい?」



「うん!陽くん、いい?」


「セイナに頼まれたら、しょうがないか。」

「ありがとう、陽くん!大好き!」


私は陽くんに抱きついた。


「ラブラブだなぁ!」

河瀬さんと麻美さんが冷やかすように言った。











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