ミルク時々S
運命?
ひかるside
あのときはたしか…
俺が中3のとき。
進学したばっかの俺は学校の校門近くにある大きな桜の木の下にいた。
ピンク色の桜の花びらたちの中にただただたたずんでいた。
小さな薄いピンク色のハンカチを握って。
昨日の子、誰だったんだろ。名前くらい聞いとけばよかった。
1人後悔していた。
顔も頭も運動も優れていた俺は女に困ることなんてなかった。
近寄っていかなくてもあっちからくる。
だから女の子1人に考えさせられる日がくるなんて思っても見なかった。