そら。―HAPPY STORY―
冷えてる俺だけど、妹には めいいっぱい優しくするつもりだ。
それくらいしか、俺にはできないから。
「…次、あたるか。お前空しいクリスマスになりそうだし」
「言ってくれるな香…つか そろそろ名前で呼べや」
玲は鼻で笑った。
俺は駆け出す。綺麗な女なら、あのイルミネーションのなかにゴマンといるだろう。
こいつのために走るのも、悪くない。
「…行くぞ、玲!」
後ろから少々の驚きと、溜め息が聞こえてくる。
「ああ。次は捕まえてくれよ!」
このクリスマスで
永遠のライバルとなる井野崎玲に出会った。
そして―――。
桜が咲き始める頃に、君に
出会った。